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東京骨灰紀行

いやあ、おもしろい本だった。

一言で言えば東京の墓場歩き紀行。

摩天楼が林立する現在の巨大東京。

その足元に眠る骨灰たちを訪ね、人の死の歴史を紐解く。

関東大震災、東京大空襲で死体が累々とした両国、

小塚原刑場のあった千住、

小伝馬町牢屋跡近くの日本橋、

有名人はじめ東大医学部解剖死体慰霊碑のある谷中墓地、

東郷元帥が眠る多摩霊園、新宿大木戸からお岩さんの四谷。

わたしの好きな幽霊云々ではなく、全部ホントにあった話。

現在の喧騒の中、ほとんど忘れ去られてしまったような

朽ちた慰霊碑に、まぎれもなくここでそういう事実があったという

衝撃に胸つかれる。

貴賎老若男女、当時のさまざまな人間の顔が見えてくるようで、

そうした人たちの屍の上に生活しているのだと改めて思う。

おっと、こっちへ行ってみようか、なんていう言葉遣いが

おじいさんと一緒に歩きながら、

ここにはね、昔、と話してもらっているような気分になる。

時に皮肉をこめ、最近はあまり使われないような

穏やかな美しい日本語に親近感がわく文章。

お薦めの一冊。

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