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螺旋

大ベストセラー『螺旋』の作者トマス・マウドは

本名、所在を明かさない幻の作家。

次作を待望する出版社の社長に命じられ、

編集者ダビッドは作家が住んでいるらしい村に向かう。

本人を見つけ出そうとあれこれ奔走すれども、

これが一筋縄ではいかない。

果たして作家の正体は?

というなにやら、謎めいていて食指をそそる内容。

幻の作家はいったい誰なのか、早く知りたくて、

後半は一気読みしてしまったが、

読後はほんわりした温かさに浸ることができ、

改めて幸せとは何なのかじっくり考えさせられた。

くしくもゲゲゲの水木夫妻がいろいろ注目されているが、

お金や地位など関係ない、損得ずくでない人間同士の絆を

心に刻みつけられた気がする。

わたし的には最後に大きな謎が残り、

読書会があるので、他の人がどのように解釈したか、訊いてみたい。

出版社社長の秘書が社員であるダビッドに対して“様”をつけたり、

外国語によくある同一人物の言い換えも“そのまま”訳しているので、

少々、気になる部分もあったけれどね。

このスペイン人作家、荒っぽいところがあるにせよ、

20代でこれを書いたというから、また驚き。

きっと穏やかで愛情に溢れた人なのだろう。

まだまだ人間捨てたものではないと、

英知や愛という最後の砦に望みを託したくなるような作品だ。

ちょっと分厚いけど、お薦め。

サンティアーゴ・パハーレス著、木村榮一訳(ヴィレッジブックス)

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