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厠の怪

愛読書『幽』の企画で、なんとも面妖な本が出た。

厠というのは、誰にでも必ず必要なものだし、

唯一ひとりになれて、本来なら愛すべきものであってもいいのに、

暗く汚くて怖い3K揃いぶみで、昔から忌み嫌われている。

しかし、昔のぼっとんトイレを現実に知っている世代には

この禁断めいた個室に、密かに格別な思いを抱く人も多い。

今は山小屋ですら、きれいなトイレになっていて、

その面影を見ることはほとんどないが、

ぼっとんトイレに怖いもの見たさの哀愁を抱くひとりとして、

大いにくすぐられる短編だ。

ジャンル柄、当然汚さと怖さとおぞましさてんこ盛りの

目をそむけたくなるような作品もあるが、

子供の頃、落ちたらどうしよう、と真剣に悩んだ

漠然とした恐怖を煽るものもあり、

見てはいけないものを見たような不思議な感覚になる。

でも死と同じで、嫌われもののトイレくんも

目をそむけてはいけない現実なのです。

ぼっとんトイレという日本独特のものだから、

怖いのだと思っていたが、

かのスティーヴン・キングも便所怪談を

けっこう好んで書いているらしい。

ぜひ、読みたいものだ。

東雅夫編(メディアファクトリー)

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