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水木しげるのラバウル戦記

水木サンのイラスト入りラバウル戦闘体験記。

例の如く、ひょうひょうとした感じで書いているが、

上官からのビンタの嵐などということだけでなく、

行軍に行軍を重ねる部隊の描写がすごい。

勝手のわからぬジャングルの中で、

敵だけでなく、何が出てくるかもしれぬ不気味さ。

著者はさまざまな場面で、

若かったから、怖くなかったとか、平気だったとか、

書いているが、違うと思う。

体の奥底で気が狂いそうなほどの恐怖を味わっていたはずだ。

そして水木サンだけでなく、他の兵士たちも。

見たまま感じたままを、

子供の日記のような書き方で記しているが、

みんな口には出さなくても、死を予感して、

不気味な空気に包まれていく部隊の様子は、

どんな妖怪よりもそら恐ろしい。

そして、驚愕したのは、

水木サンが歩哨に立ったその直後、部隊が襲撃され、

ひとりだけ助かったこと。その後の命からがらの逃避行。

人の生き死にが、ほんのちょっとした運命の差だったことに

改めて人知の及ばないものを感じる。

“人の生き死にほど不平等なものはない。

どうしてそんなバカなことがあるのか、

長年考えてきたが結論が出ない。

自分自身とはなにか・・・・ということがよくわからないのだから。

人はなにもわからないままに去るのだろう”

まさに、そうだと思う。

それにしても、水木サン、絵うまいですね。

当たり前か。

水木しげる著(筑摩書房)

Dsc03012

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