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宇宙飛行士 オモン・ラー

いやいや、すごい本だ。

ロシアの村上春樹と言われるヴィクトル・ペレーヴィンの

旧ソ連体制を鋭く批判する小説。

アメリカと宇宙飛行技術を競う時代のソ連。

宇宙飛行士になりたい少年を訓練して、

月へと送り出しているが、それは地球に帰る当てのない

特攻飛行だった。

ラストにびっくりの結末が待っているのだけど、

実は生きて地球に帰ることができない、と知った

少年の心情がすごく怖い。

これだけでも十分ブラックなのだが、

英雄だともちあげて若者を洗脳する体制を揶揄した

おびただしい皮肉の引用が、

剣山のベッドに寝ているように痛烈。

これは何も共産国家だけの話ではない。

もっともらしい理屈で国民を殺すのが国家というもの。

最大公約数のために少数派は切り捨てられる。

国民はその中で生きていかなくてはならないのだ。

この本をかの国の人民に読ませたいものだ。

きっと焚書ものだろう。

ヴィクトル・ペレーヴィン著、尾山慎二訳(群像社)

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