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師匠とのランチ会

久しぶりに師匠を囲んで、

有楽町イトシアの中にある中華の店で

翻訳仲間たちとランチ。

震災後、なんとなく人に会う気がしなかったのだけど、

久しぶりにみんなに会って素直に楽しかった。

とは言っても、翻訳業界に関しては

クラ~く、凍りつきそうな話ばかり。

ところがなぜか、意外に落ち込まなかった。

仲間内のひとりがいみじくも言っていたが、

諦めずに細々とでも翻訳にたずさわっていれば、

そのうちいいことあるでしょうという言葉が、

まるで根拠はないけれど、妙にツボにはまって、

却って元気が出た。

みんな、私よりお金持ちなのかもしれないけど、

こういう、妙な楽天主義が

翻訳家という不思議な人種の最大の特長なのかもしれない。

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いつの間にやら

台風を振り切るように九州から戻ってきたら、

なぜか、関東も梅雨入りしてて、すっかり雨模様。

九州は高校の修学旅行の時に

博多、長崎に行ったのと、

再生クイーンのコンサートで日帰りしただけで、

温泉はひとつも行ったことがなかったので、

かねてからゆっくり訊ねてみたいと思っていた。

まずはメインどころをぐるっと回ってみたけれど、

やはり火山地帯だけあって、ホントにいろいろある。

地震や津波はコワいけれど、

その恩恵であることをつくづく痛感する。

でも、九州って、大規模地震が比較的少ない気がするのだけど。

本当は幽霊ツアーをやっているはずの臼杵市や、

軍艦島、屋久島など、

まだまだ行ってみたいところはいっぱいあるのだけど、

そのためには稼がなくてはどうにもならない。

これで、九州の見納めにならないようにしたいものだ。

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そして別府

ラストは別府。

ここは温泉というよりも、何がおもしろかったって、

その名も鉄輪(かんなわ)という地名に点在する地獄めぐり。

かんなわとは、藁人形に五寸釘の丑の時参り時、

頭にかぶるアレですよ。

ボッコボコ熱湯が沸く8種の地獄を巡るのだけど、

その色といい、音といい、勢いといい、

地球はまぎれもなく生きているという気がした。

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まさに、あの地獄のイメージですよ。

地獄を見てきた人はいないと思うけど、

こういうのを見て、地獄絵図なんて書いたんでしょうね。

しかし、この地獄周辺には普通の民家も建っていて、

住民はコワくないのかなあ。

いつ、自分の家の下から、どっかーんと

噴出したりするかわからないでしょ。

まさに地熱エネルギーできますね。

これを使わないテはないと思う。

そして、もひとつやってみたかったのは砂風呂。

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四国の道後温泉を思わせる

こ~んな古めかしい湯屋に行ってみた。

顔を残して全身に砂をかけられて生き埋めになり、

サウナ状態で15分。びしょびしょに汗かきます。

初体験でした。

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やっぱり阿蘇

ここまできたら、やっぱり阿蘇でしょう。

残念ながら天気が悪くて、

御仏が仰臥するように見える山全体は見えなかったし、

今月の15日に小規模噴火があって、

血気盛んな中岳までは行かれなかったけど、

草千里にある阿蘇火山博物館がとってもおもしろかった。

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入れなくなった中岳の火口にカメラが設置してあって、

リアルタイムで火口の様子がわかるようになってる。

これがまた音もすごくて、もくもくしてるし、

とても生き物が近づけそうにない。

人間は住まわせてもらってるんだから、

何があってもしかたがないよね。

ふもとには広大な穀倉地帯が広がり、

水田がまるでソーラーパネルを並べたよう。

牛や馬のいる牧草地はまるで手入れしたようにきれいだった。

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お次は黒川温泉

お次は黒川温泉。

こちらはもっとも温泉らしい硫黄泉。

だいたい熱くて、入るのに勇気がいるところが多いが、

ここの温泉は熱湯で出ているのに、

浴槽の湯はなんともちょうどいい。

ゆっくり、じっくり入っていられる。

硫黄の香りからして、温泉にきた~という感じがする。

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こちらは露天風呂。

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内風呂の屋根。

古い趣が、東北は酸ヶ湯の千人風呂、

蔦温泉などを思い起こさせる。

由布院の宿に比べると、古い旅館だったが、

館内のそこここにある布で作った

手製のかわいらしい飾りものに、

日本人らしい細やかさが感じられ、

思わずほっこりする。

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こんなものとか、

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なんともかわい~。

温泉町自体は狭いのだけど、

まわりはけっこうなウォーキングができて、

あまり天気もよくなかったのだけど、よく歩いた。

不動明王が祀られている奥の院という場所に

行ってみたのだけど、

なんだか一種威容な場所で、なんとも表現のしようがない。

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写真ではわかりにくいけど、山が崩れたようなところが

洞窟になっていて、そこから水が流れ出し、川になっている。

それがすごく不気味で、おそらく地元の人しか

知らないような場所。

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あまり意味はないけど、こんなものをゲット。

妖怪手ぬぐい。

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九州・由布院

ちょいと所用ができ、急遽九州に行くことに。

九州ときたら、温泉でしょう。

金もないのに、ほいほいと行ってしまった。

ちょうどこのタイミングで、福岡読書会があったのだけど、

残念ながら博多は素通り。

まずは由布院。

由布岳が目の前に見えるいい宿で、

無味無臭のやわらかな温泉を堪能した。

雨の中、散歩した川岸には、

美術館やひなびた宿や店が並び、

どーしてもまた来たくなる場所だった。

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由布岳を臨む。

時々、山頂付近にハチマキのように雲が巻きつき、

なんだかかわいい。

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ベルファストの12人の亡霊

いかにも私がタイトル買いしそうな本でしょ。

かつてアイルランドのテロリストだったフィーガンは、

和平後、酒に溺れる日々。

そんな彼につきまとう12人の亡霊たち。

かつて彼が関与したテロで、命を落とした無辜の人たちだ。

フィーガンは、彼らに指示されるまま、

昔の指揮者や仲間を手にかけていく。

幽霊とサスペンスがうまいこと加味した

すごく興味深いテーマだ。

バカバカしいと言えば、それまでなのだけど、

始末しなければいけない最後のひとりのオチも、

あらためてなるほどと思わせる。

賛否は分かれるかもしれないが、

幽霊好きの私としては好きです。

冒頭にある“亡霊がいないところは不毛の地だ”という、

ジョン・ヒューイットの言葉にも大いにうなずく次第。

スチュアート・ネヴィル、佐藤耕士訳(武田ランダムハウスジャパン)

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慟哭

昨日の新聞の身の上相談に

女子大生からの投書が載っていた。

あの日、津波にのまれそうになって、

祖母と逃げたけれど、途中で逃げ切れなくなった

祖母にひとりで逃げろと言われて置いてきてしまった。

その結果、祖母は亡くなった。

祖母を見殺しにした自分を呪い、

これからどうやって生きていったらいいのか

わからない、というもの。

言葉が出ず、涙があふれて止まらなかった。

死ぬとわかっていて大切な人を置いていけるだろうか?

一緒に自分も死ねるだろうか?と

何度も自分に問うてみる。

映画や小説の中ではよく見られる場面だが、

現実に自分の身に起こったら、自分ならどうするだろう。

答えの出ないこんな残酷な選択を、

彼女は現実にしなくてはならなかった。

なんて残酷な、なんて耐え難い。

人がひとり死ぬということは、

こういうことなんだ。

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大奥

よしながふみ原作。

世は若い男ばかりが流行り病にかかって死に、

圧倒的に男の数が足りないという設定の江戸時代。

世の中を回しているのは女。

城下の家庭まで女が家長で、

男は婿入りして種付けするだけ。

当然、将軍も女で、大奥にはべるのは、

使い捨てのイケメンばかり。

殿の寵愛を受けるための鞘当てもそのまま。

大胆な逆転発想で、おもしろかった。

映画の中では男が虫けらのようにこき使われているが、

現実にも命がけで生殖活動するオスも多々いるし、

動物の世界ではけっこうあるよね、こういう世界。

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ロック・ミー・アマデウス-FALCO

オーストリア出身で、

初めてドイツ語でアメリカのビルボードを制覇し、

1998年に自動車事故死した

ミュージシャン、ファルコの生涯を描いたもの。

30年くらい前にちびっとドイツ語をかじってたせいか、

ラップ風の曲と風変わりな声色がわりと好きで、CDも持ってた。

歌詞が物議をかもした「ジェニー」を始め、

「ロック・ミー・アマデウス」、「デア・コミッショナー」、

「ヴィエナ・コーリング」などがヒットして、

1980年代にわりと注目された記憶がある。

アーティストの半生を描いた映画を観るといつも思うのは、

何かをクリエイトできる才能がある人というのは、

産みの苦しみも半端じゃないということ。

久しぶりにまたあの曲が聴きたくなった。

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リニューアルオープン

いつも利用している駅前のスーパーが、

木曜からリニューアルオープンした。

食品売場だけでなく、専門店も刷新され、

こんな田舎のスーパーなのに、

休日のせいか、めちゃ混み。

別に・・・・と知らんぷりしていればいいのだけど、

そこがまだまだ未熟者の私メ。

オープン記念○○%オフだとか、○○プレゼントとかいう

甘い文句に誘われて、つい偵察に行っては、

いつの間にか買い物袋を手にしたミイラになっている始末。

敵の思うツボだ、とはわかっていても、

このビミョーな女ゴコロは抑えきれず、

いつもなら買わないちょいとお高めの食材などに手を出す。

こうやってムダ遣いして経済をまわしてるんだから、

もちっと景気が良くなってくださいましよ。

それにしても、崎陽軒のシュウマイコーナーが

なくなってしまったのは、悲しい。

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やっぱり嘘だった

2006年暮れ、北欧のある作家のリーディングを

4冊まとめてした。

そのリーディング料がず~っと未払いだったので、

去年の暮れにやっとはっきりさせて、

不本意ながらもいちおう決着がついたことは書いた。

暮れに話をした時、

“今、北欧の作家は注目されているから、

(その作家の)刊行を検討している。

(版権が)とれたら翻訳をお願いしたい”と言われた。

普通、刊行が決まり、リーダーと翻訳者が同じなら、

リーディング料は払わない。

少なくともその出版社の場合、上の人が言っていたが、

リーディングのギャラは先に払い、

刊行されたら翻訳料から差っ引くというシステムだ。

つまり、“刊行の可能性がある”とほのめかしたのは、

またしてもリーディング料の支払いを

引き伸ばしたかったということだろう。

でも、今まで払う払うと何度も言われていたのに払ってもらえず、

まったく信用できないし、刊行なんて当てにならないから、

とにかく先に払ってくれと、押した。

そして今月、その作家の本が他社から出た。

読んだ本が他社から別の翻訳者の訳で出ることは

別に珍しいことではない。

だが、どうしてこんな見え透いた嘘をつくのだろう。

暮れに話をした時点で、すでに刊行の意思など

まったくなかったのは明白だろう。

なぜ、こんなにバカにされるのか、まったく解せない。

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パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉

う~、初日にIMAX3Dで観てしまった。

前3作で終わったんじゃないの?と思ってたところに、

案の定・・・

まあ、ロン毛のヒゲが好きなので、文句なく観にいった次第。

今回は永遠の命をもたらす泉を探しにいくという口実なんだけど、

理由はなんでもいいっしょ。

相変わらずちゃらんぽらんモード全開のジャックが暴れまくり、

人魚軍団が襲ってくる場面なども、立体映像が楽しかったス。

キースパパもちらっと出てたし、

やっぱり海賊根性を忘れてない奴らの

自由奔放な生き様にうきうきする。

スタントマンの皆さま、ホントにご苦労さまです。

ラストシーンからすると、なんだか次回作も作るつもりらしいよ・・・・・

そういえば、先日観た『まほろ駅~』で、

松田龍平扮する行天が、町田の町を疾走するシーンがあるのだけど、

その走りがどこかいいかげんぽく、見事なジャック走りになってた。

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RED/レッド

引退した元凄腕CIAスパイが、何者かに命を狙われる。

(あれ、ドン・ウィンズロウの『フランキー・マシーンの冬』か?)

真相解明のために、昔の仲間と共に一発かますという話。

まあ、どうでもいい内容なんだけど、

キャストに、ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、

ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンと大御所を揃え、

アーネスト・ボーグナイン、リチャード・ドレイファスと

懐かしい老獪な俳優陣で脇を固めた。

ストーリーはともかく、

もう年寄りだから、好きにやっちゃってという感じが楽しかった。

しかも、BGMにエアロの『Back In The Saddle』!

確かに彼らも飛ばしてるジイさんだしなあ。

マルコヴィッチのクレイジーさが

おちゃめでとってもグーだった。

やはり、彼はタダ者じゃない。

ちなみにタイトルのREDは

Retired Extremely Dangerousの略。

超危険な年金生活者ってか?

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マン・オン・ワイヤー

今はなき、ニューヨークのワールドトレードセンター。

このふたつのビルをワイヤーでつなぎ、その上を渡るという

クレイジーな冒険に乗り出した大道芸人フィリップ・プティ。

その無謀な計画から実現までを追ったドキュメンタリー。

いやはや、世の中にはホントに

突拍子もないことを考える人がいるものです。

子供の頃から高いところに登るのが好きだったとはいえ、

まず誰もが絶対にムリだと思うだろう。

それをおもしろいじゃないか、やってやろうと思う

精神状態とはどういうものなのだろう。

そもそもふたつのビルにこっそり忍び込み、

ワイヤーを張ることからして、不可能に近い。

時間をかけて計画を練る、そのバカバカしさというか、

執念というか、どうにも形容のしようがない。

協力する友人たちのノリと、やっぱりダメかもという

裏腹な心の揺れもすごくよくわかる。

もちろん、無事渡り終えた後、フィリップは逮捕されるわけだけど、

イギリスのストーンサークルを密かに作っていた

ふたりのじいさんのユーモアと同様、

善悪はともかくとして、なんとも素敵なジョークだ。

どうしてこんなことをしたのか?と訊かれ、

理由なんてない、と答えるフィリップ。

それが彼の生き様だからなんだろう。

“人生はエッジを歩いてこそ価値がある”

とはすごい言葉だと思う。

社会の規則にならされることを拒み、繰り返しを拒み、

すべての発想を挑戦ととる。

不可能だと思うとよけい力がわく、

こういう精神力を持った人は、人生が何倍も楽しいだろう。

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あまりにもイタい

ここのところ、ダメもとで営業してるが、

今日も、催促がましいメールを送ったところ、

やっといつも仕事をもらっている出版社から

原書がくることがわかった。

ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、

なんとギャラが一万円カット!

昨今の出版不況で、あの老舗出版社も相当苦しいらしい。

直接仕事をくれる出版社も下請けなので、

どうにもならない。

編集者の申し訳なさそうな声に、何も言えません。

しかしねえ、ただでさえ、生活できるレベルじゃないギャラを

これ以上カットするか?

業績悪いと、まず最初に切られるところはわかってるけど、

実働している人間のことを

もう少し考えてくれてもいいと思うけどね。

人気商売の俳優だって、組合があるのだから、

最低賃金を決めるような文芸翻訳者組合

(ビジネス翻訳はある)みたいなのがあってもいいと思うけど。

ギャラ下げるんだったら、家賃とか物価とかも

みんな下げて欲しいよ。

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怪奇小説という題名の怪奇小説

怪奇小説の執筆依頼を受けた作家が、

どうにも書きあぐねて、

外国の怪奇小説からヒントを得ようとして

半ば盗作じみたことをやり始めるが、

だんだん迷宮に入り込んでいき・・・・・

なんとも混沌として、訳わからなくなっていくのだけど、

出てくる情景や得体の知れないモノは、

子供の頃に夢にみたり、想像したりしたような

どっかで見た風景。

そこらへんにあるようなテーマなんだけど、

何が出てくるんだろう?と、これがけっこうコワいのだ。

わからないものを追ってドつぼにはまる話は、

すごく共感?というか、ぴたっという感じだった。

いいね、こういうの。

都筑道夫(集英社文庫)

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タイタンの戦い

すんごいくだらないのだけど、

クラーケン、メデューサ、グライアイの婆さんたちなど、

出てくる化け物がなんせ楽しくて、好きですね、こういうの。

子供の頃読んだギリシャ神話がとっても懐かしく思い出される。

ゼウスを王とする傲慢な神々に、

人間が反旗を翻すという話から始まるのだけど、

そこに冥界の王ハデスがしゃしゃり出て、

とっても楽しい怪物合戦が繰り広げられる。

ロード・オブ・ザ・リングと、ハリポタと、

パイレーツ・オブ・カリビアンと、エイリアンと、

いっぺんにいろいろ楽しめちゃう。

でも、なんでペルセウスがロン毛のヒゲじゃなくて、

あんなプリズン・ブレイク風なの?

半神だけど、人間人間してるとこを強調したのかな。

どーでもいいけど、怪獣が楽しいです。

そして、ロン毛のヒゲのじいさんたちが素敵です。

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苦境

それでも日々は進んでいくのだけど、

なんだか鬱々イライラして当り散らしている自分が嫌だ。

仕事が行き詰まっているのは、今に始まったことではないが、

この大震災後、やたらメメント・モリ過ぎてること。

自分の死ではなく、大切な人の死をつい思ってしまうと、

やりきれない、耐えられない、押しつぶされそうになる。

震災がなくたって、いつかは誰にでも死はやってくる。

わかってはいるけれど、ある日突然それが起こって、

大切な人をもぎ取られてしまった人たちの慟哭の思いは

決して他人事ではない。

それによって、私のことを愛してくれていた人が、

心配してくれていた人が、いなくなってしまい、

ひとり置き去りにされ、誰からも必要とされない恐怖。

心配するまでもなく、自分の方が

とっとと逝っちゃうかもしれないけど、

これから先、何度も何度も

泣き通して脱水状態になるのかと思うと辛い。

なぜ、人間だけが大声で泣きながら生まれてくるのだろう?

なぜ、人間だけが、悲しくても、嬉しくても、

怒りを感じても、怖くても泣くのだろう?

泣くとはどういうことなのだろう?

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三浦しをん×鴻巣友季子トークイベント

映画『まほろ駅前多田便利軒』記念イベントとして

町田市民文学館で、

作者のしをんさんと、翻訳家の鴻巣さんの対談があり、

聴きにいってきた。

鴻巣さんは、言葉の選び方にピンとくるものがあって、

昔からけっこうファンなので、この対談、けっこう期待してた。

鴻巣さんのリードで、『まほろ~』中心に話が進んだ。

着想はどこからわいたのか、

多田や行天のネーミングはどうして決めたとか、

しをんさんの町田でのおいたちなど

土地勘があるせいもあってか

とても楽しくて興味深く、時間を忘れるほどの内容だった。

特に穏やかなしをんさんが、自分のダークな部分について

明確にしたわけではないけれど、

ふと口にした時の、微妙に苦渋のような表情が興味をひいた。

作家って、普通の人が何気に通り過ぎてしまうものを

ことさら感じてしまう人たちだからなのだろう。

『まほろ』もそうなのだけど、お決まりの人情もの、

ハッピーエンド、“みんなで頑張りましょう”的なノリに

したくなかったという話には、はっとした。

人生って甘くないんだよ、辛いんだよ、

どんなに頑張ったってダメな奴はダメだし、

気安くきれいごとなんか言えない。

でもどこかに希望の光を残しつつ、

ダメだとわかっていても、それでもやる、

登場人物の美学みたいな感覚という言葉には

大いに納得した。

まさに今自分がそういう状態だから、かもね。

鴻巣さんも言っていたけど、

絶妙な文章(訳文)が浮かんでくるという時は、

まるで、神の啓示のように

音声で聞こえてくるという話にも唸った。

日本の作品を英訳することについて、

いわゆるその言語を“習った人”ではなく、

生まれた時からその言葉を母語とするネイティブが

訳すのが望ましいという話にも大いに頷いた。

文学作品の文章のニュアンスやテイストを感じ、

理解することはできても、

その国の言語で正確に伝えるのが、いかに難しいことか、

単に日常会話ができます、読めますというだけでは到達できない、

翻訳者としての苦悩、そして醍醐味がよくわかる。

大変に有意義な時間だった。

どこかで見た顔だとおもったら、片岡義男が来ていた。

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寝ずの番

落語家の大先生が亡くなった。

その一門たちが通夜の席で、

笑い、泣き、怒りながら、歌い踊り、

さまざまな思い出を語るというものだが、

なんといっても、笑えるのはその卑猥な話の数々。

長門裕之、笹野高史、岸部一徳、中井貴一、

富司純子、堺正章などの芸達者たちがくりひろげる、

上方落語界というしゃれ者世界の

バチあたりなようだけど、どこかほろりとくる

故人への哀悼の意の示し方。

それこそ人間だけに与えられた特権であるユーモアと、

生きる証である性の彩りが散りばめられている。

こういうことは抑えつけてどうなるものではないと

つくづく思った。

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突破する力

停滞中はこういう本に目がいく。

読んで、おおっ、そうだ!と思っても

ちっとも進歩がないので、

いくら同じような本読んだって同じなのだけど、

結局、自分が動かないことにはダメだってこと。

あんまりグチは言わないようにしたい。

猪瀬直樹(青春出版社)

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エクスペンダブルズ

わかっちゃいたけど、なんだかすごい面々が

勢ぞろいなので、ちょいと観てみた。

シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、

ミッキー・ローク、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、

ブルース・ウィリス、それにアーノルド・シュワルツネッガーという

名前聞くだけで、ムンムンと汗臭そうなキャスト。

まあ、ストーリーはどうでもいい

相変わらずやたら人が死ぬドンパチもの。

必死こいて走るスタローンは、

筋肉はすごいけど、さすがに年を感じ、

頑張れ、頑張れと尻を叩きたくなる様子で、

ホントにご苦労さまです。

シュワちゃんはちらっと出てきて、

政界のお仕事が忙しくてすぐに帰っちゃうのだけど、

ホントに映画界に“I'll be back”するらしく、ちょいと興味あり。

最近、ひところのアクションスターが欠乏してて、

なんとなく半分足を突っ込んでる俳優はいるけど、

ここまでムキムキしてる人は昔懐かしい。

悪をぶっ殺してちゃんちゃんという

アメリカ的ノリは、またかって感じだけど、

時にはスロットル全開のこういう映画もいいでしょ。

スタローンには、いつまでも頑張ってもらいたいものです。

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まほろ駅前多田便利軒

作家の三浦しをんの直木賞受賞作

『まほろ駅前多田便利軒』の映画版。

瑛太、松田龍平主演。

作者がしばらく東京都町田市に住んでたとのことで、

もろ町田が舞台の映画。

私メ、5歳のみぎりから30過ぎまでこの地に住んでまして、

現在も両親が住んでるので、どれどれと観にいってみた。

オール町田ロケということで、ほとんどが心当たりのある場所。

話は、駅前で便利屋をやってる男のところに、

ひょんなことから、中学時代の同級生が

ころがりこんでくるところから始まる。

なんだかお荷物のような、意外に役に立つような

この男とふたりでさまざまな仕事をこなし、

いろんな事情の人たちとふれあっていくうちに、

ふたりの訳アリの過去も明らかになっていく。

ま、どってことない話だったけど、

人間誰しも、誰かを愛し愛されたい、

誰かにとって必要な存在でありたいし、

誰かを必要としたいという、大いに基本的なことかなあ。

松田龍平のゆるゆるたるたるした感じがよかったよ。

町田のあの猥雑な感じがよく表れてたね。

昔っから、店はなんでもあったから

都心に出なくても用が足りちゃうような駅だったけど、

いつの間にか、新宿がそっくり移ってきちゃったような

とりとめのない町になっちゃった。

飲み屋、ゲーセン、ラブホなんでもござれ、

きっと、ヤクも売買されてるんだろう。

昔はポルノ映画館まであったのに

どうして今は映画館がひとつもないのかなあ(←不満)。

映画にも出てきた芹が谷公園は、

何年か前に妻にバラバラにされたエリートダンナの

生首が見つかったところです。

でも、国際版画美術館もある、

普段はとっても静かできれいなとこ。

今でもそうか知らないけれど、革新が強かったせいか、

いち早く障害のある人たちを雇用したりして、

弱者にはわりと優しい町だった印象がある。

駅近くに引越してくるらしい町田市役所には

風力発電設備もついてるみたいだ。

まあ、ポスト新宿を踏襲してか、空き巣とかの犯罪も多いし、

店の移り変わりも早く、いつまでたっても、なんだか垢抜けない

ごちゃごちゃした町であることは確か。

街づくりもヘタで、駅周辺は狭くて密集してて

やたら人や車が多いくせに、ちょっと外れるとみごとにド田舎。

でも、映画の中でも言ってるように、

いつかは帰ってくることになるのかもしれない。

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切り取れ、あの祈る手を

五夜にわたるインタビューをまとめたもの。

小難しい話はさておき、

この本の中で言いたいことはただひとつ。

文化は革命だということ。

音楽、絵、詩、ダンス、など文化はいろいろあるが、

ここでは主に書物についてのこと。

読んでしまったが故に、踏み出さざるを得ない。

迷っている時に開いた本の一行が助けになり、

その人の革命になっていくのだということ。

びっくりしたのは、19世紀のロシアの識字率。

ドストエフスキー、トルストイ、ツルゲーネフ、ゴーゴリなど、

日本人にも大きな影響を与えた名だたる文豪が輩出した

ロシアで、文字を読める人が10%しかいなかったという。

そんな国で、彼らはなぜ書いたのか?

書かずにはいられなかったから。 

その時に認められなくても、決して無意味ではない。

言葉は失われることなく、必ず残っていくものだから。

彼らは残っていく10%に賭けたのだ、と。

文章を紡ぎ出し、本作りにたずさわる人間すべてにとって、

なんと力強い言葉だろう。

佐々木中(河出書房新社)

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深く、暗く、冷たい場所

13歳の少女アリは、屋根裏部屋で古い写真を見つけた。

そこには子供時代の母親と伯母と、もうひとりが

写っているのだけど、もうひとりの少女らしき人物は

破り取られている。

母親も伯母も、“そんな子は覚えていない”と言うばかり。

そして、夏休みに湖のほとりの別荘で過ごすことになった

アリと従姉妹のエマを、恐怖が襲い、

過去に隠された秘密が明らかになっていく。

設定は違うけど、『仄暗い水の底から』を想起させる、

子供が中心の、水をテーマにしたゴーストストーリー。

これ、何歳くらいが対象なんだろう?

子供向けにしてはコワいぞ。

大人だったら、タイトルからしてオチは簡単に読めてしまう、

お馴染みの展開なのだけど、

大人の心に巣くうトラウマとひっかけているところは

ひねりがきいている。

久しぶりに純なゴーストストーリーを読んだという感じ。

メアリー・D・ハーン、せなあいこ訳(評論社)

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レクイエムの夜

ナチスが政権を掌握しようとしている時代のドイツ。

新聞社で記者として働くハンナの弟エルンストが

何者かに殺され、身元不明遺体として発見された。

実はエルンストは同性愛者で、

ハンナのあずかり知らぬところで、

何か重大なことに首を突っ込んでいたようだ。

ハンナはひとりで殺人犯を探し当てようと動き出すが、

訳のわからないものが届けられ、

それを探しているらしい者の脅迫が続き、

事件は混沌としていく。

あの時代の不穏な空気のせいか、

最後まで緊張感をはらみ、ページをめくる手が止まらないが、

別に殺人犯は意外な人物でもなく、

殺人のプロット自体はあまり重要でない。

その線で有名な実在の人物が出てくるのはおもしろいけど、

全体的に少しツメが甘い気がした。

レベッカ・キャントレル、宇佐川晶子訳(早川書房)

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尼僧とキューピッドの弓

なんだか不思議な感覚の本だった。

前半はドイツのニーダーザクセン州にある

女性だけの修道院を訪ねて、

尼僧たちと交流する日本人女性のわたし。

その修道院はまったく堅苦しくなく、

男の出入りも自由、信仰に対する考え方も自由で、

子育てを終えたり、離婚した女性たちの

静かな第二の人生の場になっている。

尼僧たちとの会話は、ドイツ人ぽい理屈っぽさみたいなものが

ふんぷんとしているが、わかりやすい。

後半はドイツに住む日本人学生のわたしが、

弓道のドイツ人師匠と同棲し始め、

ゆるゆると人生を生きているうちに

尼僧院長としてその修道院に入ることになるという話。

こちらも哲学科という設定で、やたら理屈っぽい。

でもなんとなくわかる気もする。

あからさまに艶かしい表現はないのに、

なんだか淫靡なところもあり、

一方でどこか冷めているという

これまで読んだことのないような不思議な読後感。

多和田葉子(講談社)

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Dead or Alive

ロイヤルウェディングの日に

なぜか、ルパン三世の『Dead or Alive』をやってた。

1996年のものだけど、実はこれ観てなかったことを発見。

絵の雰囲気もちと違うが、一番原画に似ていると

言われてるらしい。

線の力強さはいいけど、例えば五右衛門の顔が

かわいすぎるのがちょいと違和感。

おもしろかったのは、各有名漫画家によるキャラが

カメオ出演してること。

水島新司『ドカベン』の岩鬼、

石ノ森章太郎『サイボーグ009』のジョー、

その他、いがらしゆみこ、ちばてつや、竹宮恵子などなど、

一瞬だけ登場していて、全部はわからなかった。

ストーリーはどうでもいいけど、

相変わらず痛快で、次元がカッコよすぎてたまりません。

最近のつくりは萌え系全開で、

なんだか路線が違っちゃってるけど、

やっぱ、ルパンシリーズは好きheart02

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貧乏人の逆襲!

このところ、貧乏という言葉に敏感になっているせいか、

貧乏生活の知恵やノウハウを期待して、

つい、こんな本を読んでしまったが、

まったく役に立たなかった。

世間にまどわされて、消費の片棒を担ぐのはやめて、

貧乏人は勝手に生きよう、という趣旨はわかるけれど、

法すれすれの生き方をするとか、

デモやって大騒ぎするとか、まったくはちゃめちゃすぎて、

まるで話にならなかった。

世の中にはこんな人もいる、という程度か。

松本哉(筑摩書房)

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南極料理人

原作の西村淳のエッセイ『面白南極料理人』が

とってもおもしろかったので、観てみた。

南極という隔離された場所で、

エキスパートな男ばかり8人の料理人として、

極寒、低気圧という、日本とは勝手が違う環境の中、

隊員たちを飽きさせない料理を作る日々の奮闘を描いたもの。

なんせ出てくる料理が、うまそうで、うまそうで、

堺雅人、生瀬勝久、きたろう、豊原巧補など、

芸達者な俳優たちが、その料理をかっこみ、

ふざけあう自然な演技がなかなかのもの。

日本に残してきた家族や恋人とのさまざまな事情も絡め、

狭くて自由がないから、こんなところはイヤだと言う者もいれば、

誰にも文句言われないから、あと2、3年いてもいいと言う者もいて、

南極暮らしへの思いはそれぞれ。

いやはや、とってもおもしろかった。

つくづく世の中いろいろな人が、

いろいろな場所で働いているのだと感じた。

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西村淳(新潮文庫)

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愛を読むひと

原作はベルンハルト・シュリンクの『朗読者』

小説はずいぶん前に読んだのだけど、

映画は邦題が気に入らなくて、なんだか手が出ず、

やっと観てみた。

1958年のドイツ。15歳のミヒャエル(映画ではマイケル)は

町中で具合が悪くなったところを、年上の女性ハンナに助けられる。

これを境にふたりは男女の関係になっていくが、

ハンナは必ず情事の前に、ミヒャエルに本の朗読をせがむようになる。

ところがある日突然、ハンナはミヒャエルの前から姿を消した。

その後、法科の学生になったミヒャエルは、

60年代に始まったアウシュビッツ裁判で、

ハンナが被告として裁かれる場面にショックを受ける。

ハンナは戦中、アウシュビッツの看守で、

何百人ものユダヤ人を見殺しにした罪に問われていたのだ。

同時に裁かれていた女性看守は他にも何人かいたが、

報告書を書いたとしてハンナが主犯にしたてあげられてしまう。

その決定的な証拠を覆す、

彼女の“秘密”をミヒャエルは個人的に知っていた。

しかし、明らかにすれば罪が少し軽くなるはずの

その“秘密”を、ハンナはひた隠し、あえて終身刑を受ける。

ミヒャエルは長い年月の間、面会には行かずに、

昔、朗読してきかせた本をテープに吹き込み、

ハンナに送り続けるが・・・・・

あまりに重い重いテーマで、胸が締めつけられる。

母親ほどの年令の女性と少年の性愛という

スキャンダラスな内容だけでなく、

ホロコーストに対するドイツ人が背負った罪の意識。

一般市民が残虐な行為をせざるをえなかった状況に

追い込まれた戦争というもの。

ハンナが裁判官に向かって

“あなたなら、そのときどうしましたか?”と問うシーンは、

そのまま私たちにも問いかけられている。

状況が違えば、誰でもハンナと同じ立場になる。

それが戦争というものだと、痛感する。

ミヒャエルはいつもずっと迷っている。

少年の頃、年上の女と関係を持ちながらも、

若い女の子に色めき、

裁判の時、“秘密”を明かすよう、ハンナを説得しに行こうとするが、

途中で踵を返してしまう。

“私は命令されただけ”と声高に言えない当時のドイツ人の苦しい胸の内と、

戦犯なのだから刑を受けて当たり前というドイツ人の諦めの意識。

確かにハンナのやったことは、許されない行為だが、

彼女だけを裁けばそれで終わりということではないはず。

くしくも今日、911の首謀者とされているウサマ・ビンラーディンが

アメリカの精鋭部隊に殺害された。

狂喜乱舞するアメリカ人の姿に、少々違和感を覚えた。

テロ行為はどんなことがあっても許されることではないが、

果たして、一方が絶対悪で、一方は絶対善だと、言い切れるのか。

この映画を観て、同じことを感じた。

いいとか悪いとかの結論は下せない。

さまざまな意見が分かれる内容だろう。

ハンナを演ったケイト・ウィンスレットは

アカデミー主演女優賞をとっている。

ぜひ、本も読んで欲しい。

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ベルンハルト・シュリンク、松永美穂訳(新潮社)

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クイーン&Music Life展

今年は我がクイーンが結成されて40周年。

というわけで、行って来ましたクイーン展。

池袋東武5Fでやっているのだけど、

なんだか宣伝が下手で、会場がわかりにくい。

若かりし頃の彼らの写真やグッズや書籍が置いてあるのだけど、

狭くてちょっと悲しい。

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フレディの衣装と、ブライアンのギター。

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棚の左上のブリーフが欲しかったのだけど、

男性用だったので断念。

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5/5まで

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