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夜の真義を

19世紀のロンドン。

法律事務所に勤めるエドワード・グラプソンは

ひとりの行きずりの男を殺した。

これは、ある目的を果たすための予行演習にすぎなかった。

その目的とは、エドワードの人生をどん底に突き落とし、

すべてを奪った宿敵フィーバス・ドーンドへの復讐。

フィーバスは世間の耳目を集める詩人で、

跡継ぎのいない男爵タンザー卿からも

絶対的な信頼を寄せられていて、

息子同然の扱いを受けている。

しかし、亡き母の遺品から、

タンザー卿の正当な後継者が

自分であったことを知ったエドワードは、

素性を隠し、密かに父子関係の証拠探しを始める。

ところが、その証拠固めに不気味に邪魔が入り出し、

不穏な陰謀が徐々に明らかになっていく。

ひとりの男が憤怒に悶死しそうになりながら、

長年に渡って冷静に復讐計画を練る様子が、

格調高い文章で描かれ、惹きこまれる。

まるで、ロシア文学などの古典を読んでいるかのよう。

思わずエドワードに肩入れしたくなり力が入るほどで、

特に後半はサンペンス要素満載の流れに、

ページをめくる手が止まらない。

ラスト近くのあっと驚く大ドンデンは予想外で、

こうきたか、と唸った。すっかり騙されました。

これぞ翻訳ものという読み応えあり。

マイケル・コックス、越前敏弥訳(文藝春秋)

9784163299907

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