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怖い絵

久世光彦の同名の本は、

どちらかというと自分の感情を中心とした

叙情的な内容だったが、

早稲田大で西洋文化史の講師をしているという著者のこの本は、

絵の背景、歴史を踏まえた叙事的なものになっている。

ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」のように、

見るからにコワい絵だけでなく、

ドガの「エトワール、または舞台の踊り子」や、

ホガースの「グラハム家の子どもたち」のような、

一見、くったくなく美しい絵も、

その背景をひもとくと、けっこうコワいことが

盛り込まれてるんですよ~というお話。

キリスト教に馴染みがないと、意味がわからない絵も、

何は何の象徴という知識があると、

また見る目も違ってくるというものだろう。

もちろん、その絵を描いた画家が、

本当に何を言いたかったかは、

本人に訊いてみなきゃ、わかるわけない。

作曲家がその曲をどういう風に演奏して欲しかったか、

後世の者には真の意味ではわからないのと同じ。

それを、当時の風習や背景などを踏まえ、想像するのは楽しい。

文章も平易でとてもおもしろい内容だった。

中野京子(朝日出版社)

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