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関東大震災

怖い。どんなホラー本より怖い。

まさに戦慄のドキュメンタリー。

関東に未曾有の被害をもらたらした関東大震災。

発生は1923年(大正12年)9月1日11時58分。

これをさかのぼること8年ほど前に、

かなり大きな地震が群発し、

50年以内にさらに大きな地震がくる、こないで、

地震学者たちが論争を繰り返したところから話は始まる。

そして大地震発生。

立っていられないどころではなく、

地面が波打つ、ざるの上の豆のごとく体が飛び跳ねる、

列車、線路、駅舎がいっぺんに海に転げ落ちる、

といった揺れのすさまじい描写。

続いて起こった火災が、旋風に煽られて、

生き物のように猛り狂い、被災した人々を飲み込んでいくさま。

死体が累々とする本所被服廠跡や隅田川など、

阿鼻叫喚の地獄絵図。

流言による朝鮮人虐殺、

社会主義者・大杉栄、伊藤野枝、まだ幼子の甥、橘宗一殺害事件、

地震や火災がおさまった後の、何もかも失った被災者たちの悲惨な生活。

海外からの支援、政府の復興対応まで、

ものすごく丁寧に調べてある。

関東なので、馴染みのある地名も多く、

読んでいて戦慄を覚え、鳥肌がたちっぱなし。

しかも、今年はまさに東日本大震災が起こったばかり。

大虐殺こそ起きなかったものの、デマに振り回されるなど、

88年前のこの悲劇と、まさにシンクロしてるではないか。

こうした自然災害は、正確に予測することはできないし、

予測できても日本に住んでいる以上どうしようもないし、

これなら絶対安心ということもない。

それこそ、運を天に任せる以外ない。

人間は地球の間借り人なだけなのだから。

知ってるようで、知らなかったことも多かった内容。

ぜひ、読むべし。

ちなみに子供の頃、父親から聞いて驚愕した話がある。

友人と手をつないで逃げ、

急に友人が倒れたので、びっくりして見たら、

風で飛んできた焼けたトタンに首ちょんぱされていた

というエピソードは、この本の中にあった。

吉村昭著(文春文庫)

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