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猫のいる日々

いやいや、おもしろい。笑えました。

猫好きで有名な筆者のオール猫エッセイ&童話。

猫好きの家と知って、見知らぬ人が家に猫を捨てていくので、

いつの間にやら同居猫が15匹にもなっている。

それがすべてかわいいかというと、とんでもなく、

居座っているやつから、メシの時だけやってくる通い猫、

出戻ってきたのなど、非行少年少女ばかり。

筆者を怒らせ、落胆させ、憤慨させながら、

筆者ひとりに労働させて、ただ飯を食って寝て暮らしていると

文句たらたら。

足が悪いもの、目が見えないかわいそうなものもいれば、

つぎはぎだらけの毛色なので、雑巾猫みたい、だとか

禿げちょろの毛皮の外套を着て、西洋の乞食が

ぶしょったく座っているような感じ、だとか容赦がない。

それでも、隅の老人ならぬ、隅の隠居ミミが死んだ時、

小さい時から不幸で惨めな一生だったのに

卑屈でなかったのが気持ちがいいと猫の精神を称え、

お釈迦様の臨終にも顔を出さなかった

なまけっぷりを、可憐で美しいと言い切る。

長年連れ添った(人間の)奥さんのことを、

猫ならばそろそろ化ける頃と言い、

これまで飼った猫の数を数えて、

軍隊だとしたら何個中隊になるか、

戦国時代ならば自分は相当の侍大将であると冗談めかす。

不細工でおかしな猫ほど、愛着がわき、

バカだね、こいつと言いつつも、笑みを浮かべる

著者の顔が見えるようだ。

猫になった自分が夜のホテル内を走り回る描写とか、

最後に添えられている童話も、

宮沢賢治のようにファンタジックでとても素敵。

猫族、必読!

大仏次郎著(徳間文庫)

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