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二流小説家

主人公のハリー・ブロックは、

ペンネームでミステリ、SF、エロ小説などを

書きなぐっている売れない二流小説家。

その彼のもとに、世間を震撼させた連続殺人鬼で、

今は刑務所で死刑の執行を待つダリアン・クレイから

自伝を書いてくれという依頼が舞い込む。

世に出るチャンスと飛びついたハリーだったが、

そのための条件があった。

ダリアンの熱烈なファンだという女性たちを取材し、

彼女たちとダリアンが絡むポルノ小説を、

まずは書いてくれというのだ。

しぶしぶながらも、取材を開始したハリーだが、

その女性たちが次々と惨殺され、事態は思わぬ展開になっていく。

設定は大変おもしろく、

ハリーのだめだめぶりがなんとも言えない。

なぜか、ハリーのビジネス・パートナーになる

頭の切れる女子高生や、

劇中劇の如く挿入されたハリーの三文小説、

随所に織り込まれた小説家というものはという薀蓄。

読者が喜びそうな要素がてんこ盛りの極めて現代風な作風は

ノワールと言ってもいいのでは。

ただ、かなりえぐいセックスや殺人に関する描写が多く、

万人にお薦めとは言えないかも。

“すべての文学作品はおのれとの闘いにおける勝利でもあり、

世のなかに対するささやかな抵抗でもあるのだ”

という言葉が好きだ。

たとえ三文小説でも、自作を出版してもらえる環境にいる

ハリーが、今の私には羨ましい。

デイヴィッド・ゴードン、青木千鶴訳(早川書房)

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