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世界屠畜紀行

あの『東京見便録』のイラストを描いた

内澤旬子さんが、

日本、韓国、バリ、エジプト、チェコ、モンゴルなどで、

動物を捌く様子を紹介した、イラスト入り体当たりルポ。

屠畜に従事している人たちへの差別意識も含め、

微妙な感覚を、けっこう深く掘り下げている。

日々、何かしらの肉を食べ、革製品を使っているくせに、

それがどうやって自分の手に渡ってきたのか、

知らなかったし、考えたこともなかった。

差別についても聞いたことはあるけれど、

意識の中を素通りしていた感じ。

家畜たちの死の恩恵にあずかっているのに、

その第一段階である動物をしめるという現実部分を

見ないようにフタをして、

動物がかわいそうだから、彼らを殺している人たちを

非難するというのはまったくおかしい。

あなた、そのおいしそうな肉を食べるのに、

最初からすべて自分でできますか?

やってくれる人がいるから、食べられるんでしょう。

でも、もし自分が屠畜場でその場面を目の当たりにしたら、

やはり、う、かわいそうとか、残酷だとか

思ってしまうかもしれない。

宗教的倫理観や、習慣などによっても違うし、

もちろん、この本の中で、結論が出る話ではない。

それにしてもすごいのは、屠畜の技術。

特に日本はシステマティックで、丁寧だし、

もちろん機械は使っているけれど、

やはり細かいところは手作業、まさに職人技。

余すところなく、恩恵に与ることが、

利用させていただく動物たちへの

まさに供養なのではないかと思わせるほど。

世の中には、あまり人の口の端にはのぼらないけど、

知らないこと、すごいことがいっぱいあるもの。

つくづく考えさせられますた。

中澤旬子(解放出版社)

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