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夜と霧の隅で

続けて杜さんの本を。

ナチスの末期政権下のドイツ。

治癒の見込みのない患者を密かに始末する動きが

見え始める精神病院での不穏な日々。

杜さんの専門である精神医学の知識を織り込んだフィクション。

他にも収録されている短編も交えて

一貫しているように思えるのは、

“正常な”人間と“異常をきたした”人間の差異とは何か?

というテーマではないだろうか。

アウシュヴィッツの生き残りであるフランクルの

『夜と霧』はあまりにも有名だが、

その片隅でこういうこともあったのではという

意味をこめたタイトルなのだろう。

当時、みんな狂っていたと言うのはたやすい。

しかし、いちおう有事ではない現代でも

狂っていると思われることは多い。

穏やかななのにわざわざ狂気を選ぶような、

平和なのにわざわざ不幸を選ぶような、

人間の複雑な不可解さ。

北杜夫(新潮社)

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コメント

芥川賞受賞作ですよね?

これも高校時代に読んだきりで忘れてるのでまた読み返してみたいです。

ナチスドイツのことを書いてたことは覚えてるのですが(^^ゞ

投稿: Nobu | 2011年11月21日 (月) 11時34分

不穏でコワイです。こういう話は。

投稿: konohazuku | 2011年11月22日 (火) 11時55分

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