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宮廷画家ゴヤは見た

タイトル通り、スペインの画家ゴヤが見た動乱の時代。

異端審問がまかり通っていた時代、

ゴヤがモデルにしたことのある裕福な商人の娘イネスが、

異端の疑いをかけられて、

牢につながれるところから話は始まる。

異端審問を積極的に進める神父ロレンゾは、

宮廷画家であるゴヤの頼みを受けて、

牢の中のイネスに会いに行くが、

それが事を複雑にしていく。

折りしもフランスで、革命が起こり、

ナポレオンがなだれ込んでくる。

自由が叫ばれ、異端審問は廃止され、

時代はめまぐるしく変わっていく。

一方が権力を失い、もう一方が権力を得たかと思うと、

またそれが逆転し、王室も、教会も、国民も

大きく翻弄されていく。

それを耳が聞こえなくなったゴヤが

実にリアルな筆致で、絵にして残していく。

ゴヤの絵は、生々しく残酷で、身震いするほどだ。

宮廷画家なのに、皇族たちをわざと醜悪な顔に描いたり、

苦しみ、慟哭に喘ぐ庶民の顔も恐ろしい。

そして激しく殴りつけたような色もコワい。

すべて怖い絵といってもいいくらい。

一切の雑音から切り離された中で

目に焼きつけて描いた人間の残酷な現実。

ひたすら恐ろしい。

映画はなんだかとても皮肉にまみれてるような気がした。

もしかしたらそこに、描いても描いても尽きぬ、

哀れな愛しき人間どもへの、彼の愛があるのかもしれない。

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