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忘れられた花園

1913年オーストラリアの港に、ロンドンからの船が着いた。

すべての乗客が下船した後に、

ぽつんと残されたひとりの少女。

持っていたトランクの中には、おとぎ話の本が。

ある夫婦が、この身元不明の少女を引き取り、

ネルと名づけて育て、21歳になった時に、

この事実を告げた。

自分は誰なのか? 両親は誰なのか?

どうしてひとりで船に乗せられたのか?

最後に一緒だった“お話のおばさま”は誰なのか?

過去を追い始めるネル。

そして、2005年にネルは亡くなり、

イギリスはコンウォールにあるネルが買ったという

屋敷を相続した孫娘のカサンドラ。

このブラックハースト荘が、

ネルの出生の秘密を握るのか、

カサンドラもまた、謎を解くべく祖母の足跡をたどっていく。

1907年、1913年、1975年、2005年と

100年に渡るひとりの女性のミステリを、

丁寧に追いかけていくゴシック・ミステリ。

いやあ、とってもおもしろかった。

冒頭のあらすじを読んだだけで、

え、何?と興味をかきたてられ、

謎だらけなので、ページをめくる手が止まられない。

19世紀から20世紀にかけての時代と、

2005年の現代という時代が、交錯して出てきて、

頭がこんがらがるかと思いきや、

前章のラストと次章の冒頭が、

うまくつながっていて、とても読みやすい。

ネルが誰の娘なのか、最初から想像はついたが、

なぜ、そういういきさつになったのか、

その理由が少々懐疑的。

歪んだ愛情のひとつ、といえば、そうなのかも。

でも、とにかくヴィクトリア時代、屋敷、迷路、おとぎ話、

出生の秘密、とわたし的には垂涎の要素がてんこ盛り。

超お薦めです。

翻訳ミステリ大賞の候補作の一冊だけど、

これで、投票は混戦模様。困った、困った・・・・

ケイト・モートン、青木純子訳(東京創元社)

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