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瓦礫の中から言葉を

石巻出身の著者が

3.11に寄せて、一気にまとめ上げたもの。

被災者たちはみんな、

いろいろ報道されているとおりのことを

本当に感じているのだろうか。

やたら絆流行りだけれど、

無理やり言わされているだけなのでは。

報道されていないことの方が多いのでは

と、けっこう多くの人が思っているのではないか。

セシウムの数値、原爆何個分といった数字で、

語れるはずもないこのカタストロフィー。

この大災害を語るのに、

適切な言葉があてがわれていないと、

著者は過去の文献から探し出してくる。

原民喜『夏の花』より、

スベテアッタコトカ アリエタコトナノカ

パット剥ギトッテシマッタ アトノセカイ

こんな悪夢の情景なのか。

堀田善衛『方丈記私記』より、

人間存在というものの根源的な無責任さ

人間は他者の死や不幸に、じつは、なんら責任をとれないものだ

というなす術もないほどの切ない感情なのか。

ただただひれ伏すしかない

自然の力には恐れより、畏れの文字が似合う。

それを、言葉にしてもしょうがないし、虚しい。

それでも、言葉というひとつの表現方法で語り、

追いかけ、胸に刻みつけていくしかないのが人間。

辺見庸(NHK出版新書)

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