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素通りできない

やはり、この日はどこかで足を止め、

しばし、考えてしまう。

原爆投下まもなく、米軍が撮った写真に写っていた少女。

生き延びて、結婚もして、子供もでき、

現在も広島市内に住んでいる。

その方が、これまでつぐんでいた重い口を開き、

自身の体験を語り始めた。

できれば思い出したくないことだろう。

そういえば、東京で関東大震災をリアルに

体験しているはずの祖父に、

生前、その時の話を聞いたことはないかと

長女である伯母に訊いたことがある。

何も語らなかったという。

その伯母自身も、戦時中、もうけっこうな大人だったから、

阿鼻叫喚の地獄を見たことだろう。

妹である母によれば、やはり語りたがらないという。

そりゃ、そうだろう。

目で見た光景だけでなく、

その時のにおいも、感触も、空気もよみがえってくるはずだ。

よく、お昼ごはんをおいしくいただきながら、

CSIのドラマの解剖シーンなどを見ているが、

映像としてはリアルでも、

どうしても感じられないものがにおいだ。

これは、ドラマで、

本当はこんなに平気な顔をしていられるはずはないと思う。

67年前、広島や長崎の直後は、

とても言葉では表現できない光景だっただろう。

戦争はかっこいいものなどではない。

決してしてはいけない。

当たり前のことなのだけど、

リアルに体験した人たちの口から発せられると、

あまりに重い。

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