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三十三本の歯

ラオスを舞台に老検視官シリ先生が

活躍するミステリ。

恥ずかしながら、ラオスって

どこにあるんだっけ?から始まって、

資本主義なのか、共産主義なのか、

どこの植民地だったのか、

どういう歴史のある国なのか、

ちょいと調べないとわからないほどなじみがなかった。

しかも、物語の背景は1970年代。

ラオスの人というシリ先生の人物像も

なかなかイメージできなくて、

珍しいといえば、珍しい。

シリ先生がみえちゃう人という設定なのが、

それで事件解決は、ちょっと禁じ手じゃない?

というズルい前提があり、

ミステリというほどの筋はない。

先生の不思議な体験と、

事件がなかなかつながっていかないところも

謎解きを期待するとがっかりかも。

ただ、なんといっても、笑えるのが会話。

シリ先生と友人で政府要人であるシビライや、

検視官事務所の助手たちとの会話が

なんともとぼけている。

昔、バリに行った時に、現地のガイドが、

死んだおばあさんがそこにいる(のが見える)と

普通の感覚で言っていたのを思い出した。

たたりだとか、呪いとか、ヘンな興味本位ではなく、

自然や、死んだ先祖を普通に敬う精神が感じられる。

設備などがまだ整っていない様子や、

自然や動物が密接に関わってくる内容に、素朴さを感じた。

現代欧米社会のミステリとは

ひと味もふた味も違った雰囲気が特徴。

コリン・コッタリル、雨沢泰訳(ヴィレッジブックス)

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