« お気に入り | トップページ | 廃屋 »

舟を編む

去年、本屋大賞をとり、

さらに映画化されて話題の本。

辞書と作るというおっそろしく細かくて

めんどくさい仕事に携わっている人たちの話。

不覚にも涙が出た。

言葉をつくりだし、つないでいく。

人間が死んで跡形もなく朽ちてしまっても、

その人の悲喜こもごもの思いを伝え、

歴史を伝えていく言葉。

世の中、言葉だけじゃダメだけど、

言葉で表現し、うったえるということは

どうしても必要だ。

まがりなりにも、言葉に関わる仕事に首を突っ込んでいて、

そのときの感情、状況を表すのに

自分の語彙力の乏しさを、何度嘆いたことか。

言葉は手段にしかすぎないけれど、

なんと奥の深いことか。

てにをはひとつでも、その使い方によって、

受け手に誤解されることもある。

そうした言葉のさまざまな力を感じるとともに、

辞書に限らず、さまざまな分野で

注目されないけど、地道に働いている人たちが

こうしてたくさんいることをつくづく思う。

そんなんで食えんの?とか、売れるの?とか、

大変だねとか、いろいろ言われても、

金にもならない作業をする人たちによって

この世は支えられている。

金がなくちゃ生きられないのは確かだけど、

こういうことは金の問題ではない。

逆に何億という年俸をもらっている人だってそうだ。

1億でももらったら、もう辞めちゃうけどなんて

素人は思うけれど、そういう問題じゃないのだ。

結局、自分の問題ってやつだろう。

三浦しをん(光文社)

51qtyqbxhl__sl500_aa300_

|

« お気に入り | トップページ | 廃屋 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/197391/57192641

この記事へのトラックバック一覧です: 舟を編む:

« お気に入り | トップページ | 廃屋 »