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残穢

いや、久しぶりに鳥肌もののホラーを読みました。

著者とおぼしきホラー作家のもとに、

読者から自分のマンションの部屋で

怪異が頻発するという手紙が届く。

それをきっかけに、

そのマンションのある土地の歴史を

さかのぼって調べていくと・・・・・・という内容。

手紙をくれた読者がライターという設定なので、

まずは近所の聞き込みから謎を紐解いていく。

以前、その部屋にはどんな人が住んでいたかから始まって、

マンション以前になにがあったのか、

なにか事件があったのか、

どんどんエスカレートして、

高度成長期、戦後、戦前、果ては明治まで

そこまでやるかと思うほど探りを入れていく。

最後は舞台は九州まで飛んで、

すべての元凶らしきものを見つけるのだけど、

それが本当に怪異の原因なのかを確実にする術はない。

怪異自体は、音が聞こえるとか、影が見えるとか、

よくある話で、別にたいしたことないのだけど、

ナニカアルという禍々しい雰囲気に酔いたい

私のような単純な読者にはいいかも。

ラストには廃墟探訪までくっついていて、サービス満点です。

発端がマンションの部屋の怪異という

自分にも身近なシチュエーションだし、

この土地には遥か昔、なにがあったのか、

どんな人が住んでいたのか、

どんなことがあったのか、

調べてみたい衝動にかられることはよくある。

そうした、コワいもの見たさ、

でも、人間ドックと同じでなにかあったらコワいから

やっぱりやめとくという感覚。

これを代行してくれている醍醐味がある。

この本のタイトルである残穢とは、

昔の穢れが残り伝染していくという意味なのだけど、

そんなこといったら、長い歴史を考えたら、

どこでだって人は死んでるだろうし、

穢れがまるでゼロなんて人はいないと思う。

それでも怪異などまったく信じないとしても、

やはり、人間にはわからない

なにかがこの世界にあるという漠然とした恐怖が、

誰の心にもあるから、こうした話が出てくるのではないか。

人間だけが万能でなのではなく、

この世はわからないことだらけ、

だから怖くもおもしろいと私は思うのだけど。

コワいもの好きなさすがの私も、

夜寝る前に読むのはやめました。

どこかの書評で本棚に置いておくのもイヤだと

言ってた人がいたけれど、わかる気がする。

小野不由美(新潮社)

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