« 堆肥 | トップページ | 残穢 »

光る牙

場所は北海道日高山中。

若手森林保護官と凄腕上司の、熊との死闘の話。

著者は元自衛官だけあって、

武器、装備、職人技の勘などすべてがプロ仕様で、

極めて男くさい内容。

人間の勝手な楽しみのために

禁止されているはずの括り罠にはまった熊が、

冬眠することができず、

自然のサイクルが狂ってしまった結果、

人間を襲うようになってしまう。

そういう事情をよく理解しながらも、

熊を駆除するため、しかたがなく山に入る。

面白半分にただ動物を狩ることにしか興味のない

愚かな人間が、手負いの熊をこしらえてしまい、

巨大な熊と死闘を繰り広げるはめになってしまう。

過酷な自然の描写や死闘の場面は、

著者が酔っているような感もあるが、

素人でも感じる山には神がいるという感覚は

実際に山と共にある人にとって本当のことなのだと痛感する。

巨大熊と戦う場面はメルヴィルの『白鯨』を意識していると思われ、

倒さねばならない敵なのに同士のような感情がわく。

クサい部分もあるが、十分におもしろい。

吉村龍一(講談社)

51saejxcol_sl500_aa300_

|

« 堆肥 | トップページ | 残穢 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/197391/57609804

この記事へのトラックバック一覧です: 光る牙:

« 堆肥 | トップページ | 残穢 »