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怖いこわい京都

いやあ、堪能しました。

いろいろいわくありげな京都のコワい場所を

地図と首っ引きで、じっくりゆっくり読みとき、

まさに至福の時を過ごしたという感じ。

巷にたくさんある京都魔界紹介なのだけど、

ちょっと違うのは、著者が生粋の京都人で、

流れるような美しい日本語で京の神髄をつづっていること。

聞いた話、自分の体験など、不思議な話を

あげているだけなのだけど、

それが、京都という特殊な地に根付く

理屈ではないなにかであることが、

頭ではではなく、体で感じられるのだ。

もちろん、彼の地でいろいろあったのは事実。

でも、それだけが原因じゃないなにか、

著者曰く、歴史には残らないが、

千年かかって凝った澱や灰汁のようなものが

日常生活のそこここに転がっている。

そこで暮らしている人たちが、イヤだなと思いつつも、

不思議なことと共存しているそんな雰囲気。

それは、もう科学だとか、コンピュータだとかの

問題ではない。

なにげに囲われ、入れなくなっている水たまりとか、

もうそれだけで・・・・・・

コンクリジャングルだらけで、新しいものがどんどん作られ、

車の自動運転までできそうな現代の日本だが、

どこの地にも祭りがあり、なにか見えないものを崇め怖がり、

鎮めようとする風習がある。

それが、この世に住まわせてもらっている人間の本来の姿。

それを忘れた人間もまた怪異のひとつとして、

もちろん、本書の中で取り上げられている。

すべてが理屈で説明できると白黒はっきりさせてしまうより、

わけがわからないけれど、バチがあたるから

こういうことはしてはいけないというような、

曖昧な心意気でいいのではないの? 

一種の宗教なのかもしれないけれど、

そうやって、人は連綿と生きてきたのだから。

そして、こうしたことはこれから先、

どんなにコンピューターに支配された世の中になっても

なくならないと思う。

20代の頃、京都フリークしてて、

しょっちゅう日帰りとかで京都を歩き回っていた。

ちと外国のものにかぶれていた自分が

日本的なものに回帰していった時代だった。

その後、コワい系に傾倒していき、

10年ほど前にミステリーツアーと称して、

京都のいわくありげな場所ばかりを回ったことがあるが、

本書を読んでまだまだ甘いと感じた次第。

いやいや、世の中楽しい。

蛇足ならが、この著者、あのロンドン在住というから超羨ましい。

入江敦彦著(新潮社)

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