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コナン・ドイルの心霊学

シャーロック・ホームズであまりにも有名な

かのアーサー・コナン・ドイルが、

心霊学、死後の世界は存在するというスピリチュアリズムに

入れ込んでいた話は有名。

バリバリの唯物的人間観をもっていたドイルが、

なぜ、ありえないようなこの世界にのめりこんでいったのか、

ドイルらしい、理路整然とした理論で、

非常にわかりやすく、まとめてある。

そして、西洋人なのに、徹底したキリスト教批判。

イエスと今日のキリスト教会は別物だと言い切る。

イエス・キリストは、それこそ大霊能者で、

あの世の声を聞くことができた人。

彼の行いや、聖書の言葉は、

その後、教会という組織ができ、セクトができ、

のちの人間たちによって、改ざんされたものだという。

スピリチュアリズムというものは、現在あるキリスト教など宗教の

もっと根源的なもので、人型をした神を引合いに出し、

たったひとつの宗教を絶対なものとして、

ほかの信仰を排除していくようなものではない。

だいたい、キリスト教的世界が絶対的な神であるなら、

なぜ、第一次世界大戦というものが起こったのか、

相当な怒りをもって書いている。

死後の世界の存在云々を信じるか、信じないかは

ともかくとして、非常にもっともな内容だった。

人間の脳は、いまだに解明されていない。

現在、使われている能力以外にも、さまざまな“余地”が

あるのかもしれない。

あの世の霊、つまりスピリットと交信できてしまう、

チャンネルを持っている人もいるのかもしれない。

心霊とか幽霊とかいうと、

残念ながらやたら低俗に扱われる傾向があるが、

まだ、なにもはっきり解明されていない以上、

そういうこともありえるかも、と耳を傾けてみるのも

いいかもしれない。

非常に興味深い本だった。

アーサー・コナン・ドイル、近藤千雄訳(新潮選書)

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コメント

いつかコメントしたものです

またカラパイアからやってきました
最新の死の直前のポートレートの記事、怖かったですが
死について考えさせられるものでした

と思ったら、面白そうな本を紹介されているので
読んでみたいと思います

これからも頑張って下さい!^^

投稿: ななし | 2014年7月 8日 (火) 11時53分

再度のご来訪、ありがとうございます。
お返事遅くなってごめんなさい。
2009年にやっていた「医学と芸術」という展示会で、
あの生前・死後のポートレートを
初めて見ました。
ものすごくショックというか、
なんともいえない気持ちになったのを
鮮明に覚えています。
死については考えても考えても
答えの出るものではありませんが、
生と切っても切れないものとしてやはり考えずにはいられませんね。
くだらないことばかり書いてますが、
カラパイア共々、また楽しんでくださいね。

投稿: konohazuku | 2014年8月14日 (木) 10時53分

はじめまして。
カラパイアからきました。
こちらのようなサイトがあったのを見落とすとは・・・。

実は古い英文の著書を独力で翻訳中でして、悪戦苦闘しております。
スピリチャルな本なのですが、文体も古く、いろいろなところからの引用も多いので、ネットでの調べものが欠かせません。

難解な言い回しはどのように調べたらよいのか、常に悩んでおります。

投稿: mao | 2014年10月20日 (月) 09時25分

ご来訪ありがとうございます。
古い文献に限らず、英語って名詞を並べて
文章を作っていることが多くて、
そのまま辞書の言葉を並べても、
日本語の意味としてはちんぷんかんぷんということが多いですよね。
このコナンドイルの本は、小難しい専門書というわけではないせいか、
わかりやすい日本語で書かれていました。
専門用語はきちんと調べないといけないし、
どういう読者が対象かにもよりますが、
英語的に難解な文章でも、
なにを言いたいのか自分の頭で理解できれば
きっと噛み砕いた日本語にできると思います。
頑張ってください。

投稿: konohazuku | 2014年10月20日 (月) 23時40分

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