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血の探求

ふとしたことから、自分の構えるオフィスの

隣の部屋から、カウンセリングの声が聞こえてきて、

その内容を盗み聞きするはめになってしまった大学教授。

養子である自分の出自の問題に悩むその患者は、

どうやら戦争中のごたごたで生みの母親と離別したらしい。

興味を覚えた大学教授は、ひそかにその患者の

母親を探す手伝いをし始める。

完全にストーカー的で、なんだこのオヤジ気持ち悪い

と思って読み始めたのだが、

患者の生き別れた生母はホロコーストの生き残りで、

ほかにもなにか複雑な事情がありそうなことがわかってくると、

がぜんミステリー色を帯びてきて、

こちらも大学教授と一緒になって、聞き耳をたててしまった。

当時、収容所送りになった多くのユダヤ人の中にも

さまざまな扱いレベルの違いがあったことなど、

ユダヤ人の複雑な歴史や立場、

数奇な運命が非常に深く重い内容。

母親の軌跡をたどっていく過程は、

サスペンス的でドキドキした。

それにしても、隣室の話が丸聞こえって、

どんだけ安普請なんだ。

関係ないけど、ちなみに箱根の富士屋ホテルも

続きになっている部屋はすごく安普請です。

普通にしゃべっていただけなのに、

うるさいと文句言われて、すごく心外だった覚えがある。

エレン・ウルマン、辻早苗訳(東京創元社)

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