書籍・雑誌

天災から日本史を読みなおす

「武士の家計簿」の著者による本。

過去、日本で起こった甚大な自然災害から
歴史をひもとくというもの。
日本はまさに自然災害と切っても切れない
関係にあるとのだとつくづく思う。
災害も含めた四季の豊かなこの風土や地形が
日本人の独特な民族性を育んだと
言ってもいいのだろうけど。
なにごとも温故知新だのお。
磯田道史(中公新書)

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服用禁止

仲間のひとりが突然死んだ。

砒素が検出されたことから、
殺人か?と大騒ぎになったが、
本人の手紙が発見されたことから、
自殺という見方が濃厚になった。
が、ここでミステリが終わるわけはない。
最後に明かされる事実は、
複雑に絡み合った人間関係の綾だった。
携帯もないひと昔前の話だが、
やはり、こうした古い時代のミステリのほうが
おもしろい気がする。
ドンパチなど、派手な描写がなくても
十分に読者を惹きつけられる力がある。
最近、海外ミステリから少々遠ざかっていたが、
あらためておもしろいと思った。
復刊ものが流行っているのもうなずける。
アントニー・バークリー、白須清美訳(原書房)

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世にも不思議な物語

ついつい、こういう本には手がのびる。
幽霊というか、怪奇というか、
不思議な出来事を集めた短編集。
別にそれほどコワくないけど、
『再会』とか、ラストの『サリーに会ったときは』が
けっこう好きかなあ。
この本、届くのにすったもんだあった。
ポチッとしてからあまりに届かないので、
調べたら、配送業者の記録では“届けた”ことになってる。
でも、とにかく届いてないので、
発送元に連絡して、しかたがないので、
保障手続きをとるというところまでいったが、
しばらくしてから、何事もなかったかのように
ポストに入っていた。
これは、絶対に配送業者が誤配したに違いない。
配達員はきちんと投函したつもりだろうけど、
違う家のポストに入れてしまったから、
配達が遅れ、誤配された家の人が気がついて
うちに戻してくれたのだと思う。
が、発送元にしてみたら、
本当は届いているのに、届かないと
私が嘘を言って、詐欺を働こうとしたと
疑われても無実の証拠はないよね。
今まで、何十回と本を買っているけれど、
こんなことは初めて。
配達員もたくさん届けるものがあって、
忙しいのだとは思うけど、それが仕事なんだから、
もうちょっと気をつけてきちんと配達してもらいたいものだ。
レノア・ブレッソン、尾之上浩司訳(扶桑社)

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ニッポンの穴紀行

長崎の軍艦島、

今は使われていない東北の釜石炭坑、
北海道の廃線跡の隧道、
国会図書館の地下8階、
九州唐津と韓国釜山などを海底で結ぶ日韓トンネル、
埼玉の古墳時代の墓、吉見百穴、
和歌山と淡路島の間にある砲台、
悲惨な歴史が刻まれた沖縄の塹壕など、
アンダーグラウンドを訪ね歩くお話。
遺構が多いが、もちろん黒部ダムのように
人がたくさん行くところでも、
一般人は立ち入ることのできない“穴”もある。
かつては人が行きかい、にぎわっていたであろう場所、
まさに、“つわものどもが夢のあと”という言葉が
ぴったりの場所。
それは人生の光と影がはっきりとわかる場所。
実際に立ってみたら、いったいどういう気持ちになるのか、
たまらなく知りたくなる。
こういう本にはいつでも“おいでおいで”されている。
西牟田靖(光文社)

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日本のビール面白ヒストリー

寄る年波に勝てなくて、最近めっきり飲めなくなったが、
ビールが好きだ。
ところが、昔ほど飲めなくなったにもかかわらず、
代謝が悪くなっているせいで、
ビール太りまっしぐら。
昨今は、プリン体ゼロ、糖質ゼロ、なんて代物も
各社こぞって出しているが、
昭和生まれの人間なので?、頑固にビール一辺倒。
(ときには発泡酒も飲むけど)
で、なんとなくおもしろそうだったのが、
日本の国産ビールができるまでを綴ったこの本。
今でこそ、キリン、サッポロ、エビス、アサヒの
4大ビール会社が君臨しているが、
ここまでくるのに、それこそ紆余曲折。
ビールって、半分が税金だけど、
その課税が決まったきっかけ話がおもしろかった。
端田晶(小学館)

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怪談

本屋で途中まで立ち読みしたけど、

やっぱり買ってしまった。
この人の短編怪談。
怖いというか、不思議な話。
そして、ほろりと泣けてくる。
筆者あとがきに、
子供の頃から死を強く意識してきたとあった。
でも、当然だがいまだによくわからない。
身近な人の死に遭遇すると、
深い喪失感と絶望。
それがいつしか優しいぬくもりを帯びたものに
変わっていくという。
生者と死者がつながっていると思いたいのは、
生きている者の勝手な解釈だが、
「なぜ」という問いには答えられず、
答えられないからこそ書きたいという。
それでいいのだと思う。
答えを求めて、生きている間に苦しみ悶える。
それが、人間というものを作った誰かが
人間に与えた試練なのだろうから。
この「怪談」は、怖くておもしろいわけではない。
どこにでもある、なんだかわけのわからない
モノを見てしまった、という話だけれど、
読後に自然と涙が頬を伝っているような
感覚に包まれる。
小池真理子(集英社)

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厄落とし

マンガみたいでおもしろかった

「ばけもの好む中将」シリーズの作者瀬川貴次が、

瀬川ことび名義で書いている怪談短編集。

なんだかユーモラスというか、ちょっとヘンでおかしな怪談。
それほど怖くなくて、
でも、うん、この話ちょっと好きかもという
感じで終わるものばかり。
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ぼくらは怪談巡礼団

例の如く、趣味の本です。

視えちゃう人も、視えない人も一緒に

日本全国の曰くありげな場所を歩くモノノケ探索。

これまで『幽』に掲載されたものを抜粋、まとめたもの。

興味本位で、こうした場所を訪れるのは反対だし、

なによりとてもコワくて自分はできないけど、

この面々は節度をわきまえ、

異形のものに対して、畏怖の念をもって

接していると信じている。

幽霊や妖怪を信じるか、といったら

はっきり言ってわからないけど、

こんなことをしたら、バチがあたる、恐ろしいことが起こると、

バカな人間どもの歯止めをかける

一種の宗教のようなものではないだろうか。

“闇への恐怖や絶望や悪夢から目を背け、

未来への希望や明るい夢ばかりを

子供たちに与えようとした・・・・その帰結はどうであったか”

親が子を殺し、子が親を殺し、バラバラにして隠し、捨てる。

親の死体をそのまま隠して年金を騙しとる。

それこそ、バチがあたるなんてもんじゃない。

妖怪よりも、幽霊よりも恐ろしいモノノケではないか。

この世の不条理や超自然への畏怖の念を

教えられなかった、または忘れてしまったから

こうしたことを平気でやってしまうのではないか。

私は小学生のときに、ナチスの残虐行為の写真集を

見せられて、恐ろしくてしばらく夜も眠れなかった。

でも、そうした体験があるから、

戦争をしてはいけない、人を殺したりしては

絶対にダメだと思える。

佐世保の女子生徒の心は計り知れないが、

そうした恐ろしい体験が欠けていたことも

原因だったのではないだろうか。

この世には、理由はどうあれ、

絶対にやってはいけないことがある。

それを、多少嫌な思いをさせても、

幼いうちから心に刻み込むことが、

一層、必要になってくるのではないか。

世の中は楽しいこと、美しいことだけで

成り立っているのではないのだから。

東雅夫、加門七海(メディアファクトリー)

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ばけもの好む中将

時は平安時代。

容姿端麗、頭脳明晰、その身分も申し分ない貴族さま、

宣能(のぶよし)は、怪異・ばけもの大好きで、

コワい噂の絶えない場所に自ら足を向ける変わり者。

一方、ばけもの、コワいもの大っ嫌いな、

ちと気の弱い中流貴族の宗孝(むねたか)は、

なぜかこの宣能に引っ張りまわされて、

ばけもの騒動に首を突っ込むはめになる。

宣能の共感覚をもつ妹、初草や、

宗孝の大勢いる姉の中でも

ちょっと不思議な行動をとる謎めいた十の姉など、

わけありな脇役に、宮中の陰謀なども絡み、

マンガのようだけどけっこう面白かった。

平安時代の立ち居振る舞い、美しい日本語が

なんとも素敵で、いにしえの世界に思いをはせることができる。

瀬川貴次(集英社)

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身体巡礼

本屋で目が合って、つい買ってしまった。

死体とは切っても切れない縁があるのか、

やはり出ましたこの人の墓巡り紀行。

解剖学者、養老孟司のヨーロッパお墓巡礼談。

相変わらずの皮肉っぽいというか、

世の中斜めに見てるみたいな物言いで淡々と綴る。

遺体の内臓を分けて壺におさめ、礼拝堂に安置するとか、

骨のオブジェ、何世紀にも渡って積み重なる墓など、

死者に対する日本人との感覚の違いなどがおもしろい。

このテの本はたくさん出ているけれど、

わかっていても、ついつい手を伸ばしてしまう。

養老孟司(新潮社)

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